久々に本の感想。今回は「氷菓」から始まり、最新刊「いまさら翼といわれても」に続くミステリー作品『古典部シリーズ』。



ニコニコ生放送で見たアニメが面白かったので、原作に興味を持って最近読み始めた。ミステリーというと殺人など血なまぐさい事件がつきものだが、このシリーズは(作中作として殺人を題材にしたものは登場するが)そんなものとは無縁。高校の活動内容不明の部活「古典部」の部員が出くわすちょっとした謎を、主人公である折木奉太郎が中心となって解決していくのだが、その解決への道筋がとても気持良い。また、「やらなくてもいいことはやらない。やらなければいけないことは手短に」という奉太郎のモットーはとても共感が持てるし(笑)、ヒロインの千反田えるも含めキャラクターが非常に魅力的だ。

第1作「氷菓」は、小さな謎の解決を積み重ねながら、えるの叔父が言った言葉、文化祭の別名「カンヤ祭」の由来、そして古典部の文集のタイトル「氷菓」の謎に迫っていく作品。最後の謎については分かってみれば・・・というようなものだが、込められた思いがとてつもなく重い。

第2作「愚者のエンドロール」は脚本家が途中で投げ出してしまったミステリー映画の事件の解決に古典部が挑む。意外な犯人の存在によって見事解決したかに見えたのだが・・・。

第3作「クドリャフカの順番」の題材は文化祭で発生した連続盗難事件。わらしべ長者的な展開が面白い。

第4作「遠まわりする雛」と、最新刊である「いまさら翼といわれても」は短編集。いずれもえるに焦点を当てた表題作がとても印象的。奉太郎とえるの関係は今後どうなっていくのだろう。

第5作「ふたりの距離の概算」は、マラソン大会の進行とともに、新入生が古典部入部を辞退した理由が明らかになっていく面白い構成。

まだ完結しておらず、続きがとても待ち遠しい。まだ読んでいないが、昨年10月に刊行された「米澤穂信と古典部」という本に新作短編が載っているらしいので、早く読みたい。



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