1982年に公開された映画「遠野物語」。音楽を担当しているのが姫神せんせいしょん(星吉昭さんのソロユニットになる前の姫神)であり、そのサントラはCD化されておらず(レコードは持っているがプレーヤーが無く聴けていない(泣))、姫神ファンの私にとって必見だ。しかも2013年にDVD版が発売されている。これは買うしかない!と言いたいところだが、Amazonのレビューを見ると画質に関して酷評されており、ブルーレイ版が出るまで待つべきではと購入に二の足を踏んでいた。ところが先日商品ページを見てみると、中古が格安で出ているではないか。申し訳ない気持ちもありつつもポチッと購入。

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ケースを開けると入ってるものと思っていたブックレット的なものは無い。中古だからかと選択を後悔しかけたが、後で検索してみた限りではどうも元々入っていないようだ。ケース裏側に書かれたあらすじとキャスト一覧で十分ということなのか(「音楽:姫神せんせいしょん」の表記が無いのがちと不満)、なんともあっさりした商品だ。

映画「遠野物語」DVD

早速ノートパソコンで再生。こんな古い映画をパソコンで見れるというのがなんだか不思議な感覚だ。美しい桜の樹を背景にオープニングテーマ「白い川」が流れるクレジットにはしっかりと「姫神せんせいしょん」の名前がある。「キャニオンレコード」(現・ポニーキャニオン)の表記に時代を感じる。

映画「遠野物語」DVD

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さて映画の内容だが、ストーリーは正直微妙だった。箱入り娘が親の決めた縁談相手ではない幼馴染(以前は許婚だったが家が没落した)と恋仲になって・・・というのはいくら1980年代でもベタ過ぎやしまいか。もうちょっと脚本にこだわってほしかった。遠野の民話は物語のあちこちで登場人物の語りによって織り込まれてはいるし、メインストーリーもオシラサマの馬娘婚姻譚をベースにしてはいるが、もっと深く民話と結びついたストーリーにできなかったものだろうか。

映像は美しい。民話が醸成された地の風景を巧みに切り取っている。が、たしかに画質は微妙。4:3の画角といい、ビデオをDVDにダビングしたようではある。音質も音割れしたような、あるいはノイズの入った箇所がある。ただ、オープニング前に表示される文章によれば「本DVDは現存する中で最良のものと考えられるマスターから収録いたしております」とのことで、もしかすると画角4:3ではないオリジナルのマスター(フィルム)が現存しないということかもしれない。とすればブルーレイ版が出ることも無かろうし、このDVDは曲がりなりにも作品を見るとこができる貴重な存在ということになるだろう。

そして最後に注目(注耳?)の音楽。サントラを聴けていないので、初めて耳にする曲がほとんどだ。アルバム『姫神』収録の「白い川」のバージョン違いがいくつか流れるが、その中で気にいったのは1時間1分22秒頃から流れるリズム抜きで1オクターブ低いバージョン。HIMEKAMI Stationによればこれが「遠野のテーマ」と題されたものらしい。35秒ほどしか流れないのが残念。「白い川」以外では、49分36秒頃から流れる曲で、こちらはサントラには収録されていないらしい。情感豊かなメロディーはアルバム『まほろば』収録の「草原情歌」によく似ており、草原のシーンであることといい、「情歌」の似合うシーンといい、おそらく原曲なのではと思う。また、27分36秒ごろから当てぶりの横笛の音色として用いられている星さんのシンセの独奏曲もなかなか良い。横笛からシンセの音がしているのはシュールだし、星さんがこぶしをまわしてるのに笛の指が動いてなかったりするけれど。



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