漫画「3月のライオン」の最新12巻を購入・読了。今巻は特装版に西尾維新さんの「物語シリーズ」とのコラボ小説である「月物語」が付属するということで、そちらを選択。

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まずは「月物語」。「物語シリーズ」のヒロインの1人、羽川翼に、「3月のライオン」の主人公である桐山零が出会うところから始まる。学習塾の廃墟で寝ていたところを戦場ヶ原さんに叩き起こされるあのシーンを思い出すような出会いから一転、暗号解読へ。かなりこじつけ感のある暗号ではあったが、だからこそ当初破り捨てられ、また中学生が考えそうなレベルともいえるだろう。もっと不自然な感じになるかと思いきや、意外と良い出来のコラボだった。この作品のために勉強したのか、あるいはもともと好きだったのか、西尾維新さんはかなり将棋の知識をお持ちのようだ。また、漫画本とセット販売ということで書店に並んでいる状態では「月物語」は裏側しか見えないからか、表紙と裏表紙が逆になったような装丁が面白い。羽海野チカさんによる羽川翼のイラストに「月物語 西尾維新」と文字が入った方が裏表紙で、一見裏表紙のように見える方を開くと目次がある。

続いて「3月のライオン」12巻。タイトル失冠(奪取)の場面が具体的に描かれるのは12巻目にして初めてではないだろうか。そして雷堂棋竜の魅力爆発の前半だった。後半は桐山 vs 滑川の順位戦。実は良い人なんだろうけど、見た目と行動でものすごく損をしている感のある滑川七段。後半はこのキャラの魅力満載だった(あとスミスの顔芸(笑))。

さて、作品そのものがとても良いだけに、細かなアラが目立ってしまうということが往々にしてあるものだが、今巻はそれに当てはまる。誤植や設定のおかしな点が数か所あった。

・42ページの先崎九段のコラム。最後から8行目の「宮城」は「宮崎」の誤植。
・157ページ「先手 桐山六段の勝ちです!!」というセリフがあるが、桐山は後手。よって直前の「以上171手をもちまして」の手数も偶数でなければならない。千日手指し直しになっていれば別だが、桐山が千日手を回避する描写がある。
・34ページで鉄道好きな土橋九段(今後の登場にも期待!)がJR九州の観光列車「指宿のたまて箱」のことを「電車」と言っていたが、鉄道好きがパンタグラフの付いた電気を動力源としてモーターで走る車両以外を「電車」と表現することはまずない。ディーゼルエンジンで走る「指宿のたまて箱」なら「気動車」はマニアック過ぎるとしても「列車」もしくは「車両」と言うはず。

1・2点目は以前の巻でも同じようなことがあった。校正がいい加減なのだろう。羽海野さんや先崎九段が気の毒だ。
3点目は私が鉄道好きだからこそ気になったことだろうが、鉄道に限らず「何かが好きな/専門知識を持つキャラ」を登場させるなら用語の使い方には気を付けてほしい。誤用があると途端に白けてしまう。

傷が目立ったという点で残念な巻だったが、ストーリーは抜群。今後の展開も非常に楽しみだ。



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