2月に行った道東の旅の模様の第8回。前回はこちら

おーろら号の船旅を終えてバスへと乗り込む。北海道新幹線開業を控え、バスはH5系車両と同様のカラーリングがされていた。10:45発。

バス@網走港

向かうは網走監獄。定番の観光地は好きではないが、魅力的な古い建物の数々、特に有名な五翼放射状舎房をぜひ見たかった。満員のバスの車内は8~9割が外国人。しかし運転手さんは日本語オンリー、英語や中国語はサッパリで、対応や説明に四苦八苦。もっとも私も日本語しか操れないので偉そうな事は言えない。網走監獄への途中には「網走刑務所」という紛らわしいバス停があり、現役の刑務所である網走刑務所もまた魅力的な煉瓦造りの建築物があるが、「プリズン、プリズン」と連呼しながら降りて行った客の中には網走監獄へ行きたかった人もいただろう。刑務所も監獄も「プリズン」であるから説明が難しい。運転手さんも私も降りる客を見送るしかなく、近年の急激な外国人観光客増加への対応が追いついていない現状を実感した。

定刻から6分遅れの11:06に博物館網走監獄へ到着。網走刑務所の旧施設を移築、または復元して展示している場所だ。凍った雪の道を踏みしめ、正門へと向かう。

網走監獄

正門手前の門の脇にチケット売り場があって、そこで入場券を購入。大人1080円だが、スマホにインターネット特別割引券を表示して見せたので970円で買えた。いざ監獄内部へ。正門脇には竹ぼうきを手にした老人の人形。「五寸釘寅吉」と称される脱獄王で、逃走中に五寸釘を踏み抜いたにもかかわらず12キロも走ったのだという。後に改心して模範囚となり、門前の清掃を任されたのだとか。

網走監獄

煉瓦造りの正門をくぐって五翼放射状舎房を目指す。バスまで2時間強あって余裕があるつもりだったが、明治期に建てられた和洋折衷の素晴らしい建築物の数々には足を止めずにはいられない。庁舎や教誨堂など内部はアッサリしたものだったのでサッと見るだけにしたが、今度は監獄ならではの懲罰房や浴場が出現。興味深い。これはジックリ見ないわけにはいかない。

▼懲罰房:規則を犯した受刑者が7昼夜、重湯のみ与えられて入居させられたという
網走監獄

網走監獄

▼浴場:背中に入れ墨がある方々が大勢。窓の格子が作る影が綺麗だった
網走監獄

網走監獄

明治45年に建てられたお目当ての五翼放射状舎房に着いた時には40分以上経過していた。早速中へ入り、放射状に5方向へ伸びた廊下(両側にはもちろん独居房や雑居房が並ぶ)をそれぞれ奥まで歩いて見てまわり、シャッターを切った。斜め格子など、監視のため様々な工夫がされているのも面白い。機能美というのか、建築物として非常に魅力的だ。収監された囚人にはそんなものを愛でる余裕や気持ちは全くなかったろうが。特に冬の寒さは、廊下のストーブしか暖房が無い環境では厳しかったという。雪景色を外に見て快適に見学できる今では実感しにくいが・・・と、唇に違和感を覚えてティッシュを当ててみると血が付いた。おーろら号の船上からこちら、激しい寒暖の差に晒されて上下とも唇が切れていた。厳寒の地にいることを思い出す。

網走監獄

網走監獄

網走監獄

網走監獄

網走監獄

網走監獄

網走監獄

網走監獄

あちこちに囚人の人形が配してあるが、脱獄中の様子を表した人形もあって微笑ましいというかなんというか。4回も脱獄した昭和の脱獄王、白鳥由栄の人形で、味噌汁をかけることによって扉の視察孔の鉄枠のネジを腐食させて外し、廊下の天窓を頭で突き破って外へ出たという。

夢中で撮影し見てまわるうちに時は過ぎ去り、あっという間にバスの時間が迫ってきた。土産物屋も覗きたかったがそんな暇はない。急いでバス停へ戻る。13:19発に乗車し網走駅へ。

~つづく~

※2016年2月20日、OLYMPUS STYLUS TG-4 Tough(11、13枚目はOLYMPUS E-620 + ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD)。

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