先日文庫本が発売された、実録怪談集「九十九怪談 第六夜」を読了。

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中には背筋がぞくっとするような話もあるが、このシリーズの真の魅力は、その多くを占める「何だかわからないけれど不思議な出来事」の話にあると思う。「新耳袋」シリーズから続く趣向であり、ひいては江戸時代の「耳袋」の流れも汲んでいる伝統だ。

今巻で一番気に入ったのは、第50話の「自然薯(じねんじょ)」。タイトル通り、自然薯掘りに山に入った人が見慣れない男に出会って・・・という話。怪しいモノに出会った時の対処法として、例えば底の抜けた柄杓を渡すだの、草履の鼻緒を切って投げるだの、一応民話や伝承としては伝えられていても、それが実際に使われた話(それもそんなに昔ではない)というのはかなり珍しいんじゃないだろうか。そういう意味で非常に印象に残ったし、そうした怪異や対処法が今の時代にも生きているという事(あるいは本当にあったこととして語られている事)も何だか嬉しかった。

第37話の「炭」も気になった話。玄関先で七輪で火をおこしていると、見たことのないお爺さんが火ばさみを手にやって来て炭が欲しいと言う。どうぞと分けてあげるが・・・という話。お爺さんが持っていた火ばさみは実態があったんだなあ、と妙なところに驚いた。お爺さんが見えない人には玄関先まで火ばさみが宙を飛んできたように見えたのだろうか?火ばさみは元々どこにあったものだろう?

第17話「ミニスカート」は正直うらやま・・・いや、なんでもないです(笑)。なんとなくだが、「新耳袋」にあったタンスの中の小さなおばあちゃんが部屋の片づけをしてくれる話に通じるものを感じた。

今のところ今巻がシリーズ中で一番面白かったような気がする。第七夜にも期待。

            

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