小野不由美さんの小説「営繕かるかや怪異譚」を読了。

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私の大好きな「十二国記」の小野不由美さんの小説にして、これまた大好きな漫画「蟲師」の漆原友紀さんが装画を手掛けているとあらば読むしかない。

本作は家にまつわる怪異とその解決の物語で、全6篇からなる短編集だ。そして物語には大きな特徴が2つあって、まず1つは怪異の解決者が陰陽師でも霊能者でもなく「営繕屋」、つまり建物の修繕や改築を生業とする人物であり、お祓いやお札を貼ったりするでもなく、壁に窓を開けたり玄関の前に垣根を設けたりといった、ちょっとしたリフォームによって問題を無くすというのが変わっている。

そして2つ目は、怪異の原因であるモノを消滅させたり祓ったりするわけではなく、悩まされている人が気にならないようにするだけで、怪異との共存を目指している風であること。これもまた怪異譚では珍しい。一方で、こうしたアプローチは「蟲師」に通じるものがあって、そうしたことから漆原さんに白羽の矢が立ったのかなとも思う。

全体的に派手さは無く、落ち着いたしっとりした雰囲気の話が並ぶ。ホラー小説的な、読んでいて髪の毛が逆立つような、背後が気になってくるような話は無いので、安心して読めるとも言えよう(笑)。もっともテーブルの下のお爺さんと目があったシーンはちょっとゾッとしたけれど。

怪談専門誌「幽」での連載は続いているようで、いずれ続編が刊行されるだろう。首を長くして待ちたい。

           

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