昨日行われた将棋の将棋の第62期王座戦五番勝負第5局で、羽生善治王座が挑戦者の豊島将之七段に勝ち、通算3勝2敗で防衛。王座の通算獲得数を22期(同一タイトルの獲得期数歴代単独1位)とし、7大タイトルの通算獲得数を90期(自身の記録更新)の大台に乗せた。



ここ数年、王座戦の決着局は名局が続いており、今回もと期待していた。羽生王座の2連勝の後、豊島七段が2連勝を返して2勝2敗で迎えた最終局。私が見始めた中盤の時点では先手の羽生陣は居飛車で矢倉、後手の豊島陣は振り飛車模様で美濃囲い。これが横歩取りで始まった将棋のなれの果てだというのだから驚く。夕食休憩前は豊島七段が有望かと思われていたようだが、休憩明けに羽生王座へ形勢が傾く。王座戦恒例と言っても良い展開で、羽生将棋ではこういうのが一番面白い。

そして羽生王座が勝勢となってからの終盤戦が凄まじかった。安全勝ちもできる中、果敢に踏み込んで最短の勝ちを目指す羽生王座。初タイトルへの意地を見せ、土俵を割るまいとものすごい粘りを見せる豊島七段。その応酬の最たるものが、132手目△8二銀打ち~133手目▲同竜だろう。自陣に駒を埋め頑強に抵抗する豊島七段に対し、竜を引いて安全に勝てる中、バッサリ切って寄せに行く羽生王座。見ていてハラハラした。そしてその後の▲9一銀~▲9三歩~▲9二歩成~▲9四歩~▲9三歩成という寄せの構想。見ていて大興奮だった。もっとも▲9一銀は実際には負ければ敗着級の大悪手だったらしいが、リアルタイムで1分将棋を見ている分にはそんなことは分かりっこない。解説会の渡辺明二冠も悪手であることに気付かなかったらしい。(※▲9三歩成△7一玉▲9一飛△5二金上▲8二銀△6一玉▲8三と△同角と後手の攻めの要の角を引かせる変化があって▲9三銀より手厚く、単純に悪手とはいえないとも。恐るべし。)結局、豊島七段は最後の最後に訪れた勝負手のチャンスを逃し、羽生王座が豊島玉を仕留め、シリーズが終わった。

第一人者の羽生王座に、期待の若手、豊島七段が初めて挑むタイトル戦だった今回の王座戦。羽生王座が世代交代を許さず四冠を堅持する形で幕を下ろしたが、充実した内容のこのフルセットはやはり豊島七段がただの若手でないことを表していると思う。またこの両者がぶつかる番勝負を見てみたいものだ。

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