京極夏彦さんの小説「冥談(めいだん)」を読了。

冥談 (角川文庫)amazon画像リンク作成ツール

先日読んだ「幽談」と同じく短編集だが、怪談色が強い。時代も明治~現代までバラけており、死者あるいは妖怪を思わせるモノたちとの邂逅の話が収録されているが、「風の橋」「遠野物語より」の2編は民俗学色・民話色が強く、特に面白く読めた。前者は柳田國男が編纂していた雑誌「郷土研究」に投稿されるはずだった民俗資料に登場する謎の場所「ヨガタリサマ」の祠と「風の橋」に行った記憶を持つ女性の話、後者は柳田が水野葉舟の紹介・同席のもとで遠野の伝承を佐々木喜善から聞き取るシーンを描いた作品(遠野民話の話し手の名前「繁」は喜善のペンネーム)。京極先生には遠野物語を現代風の文章に改めた「遠野物語 remix」という作品があるが、こういう聞いているシーンを描く方式だったらより魅力的になったように思う。

「幽談」より読みやすく、好みの1冊だった。

余談を1つ。私は単行本で読んだが、ページ上部のページ数や各話のタイトルが、通常の文字の向きから90度、あるいは180度回転したレイアウトになっているのが面白かった。

     

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