先日テレビ番組「ちちんぷいぷい」で紹介されていた本、「復刻版 21世紀への階段 40年後の日本の科学技術」の第1部を読了。

21世紀への階段 第1部―40年後の日本の科学技術 復刻版amazon画像リンク作成ツール

1960年に刊行されたものの復刻版で、当時の科学者たちが40年後の2000年の科学技術を推測し、それによって可能になっているであろうことを分野ごとに書いている。

番組で紹介されているのを見た時には当時推測された技術の多くが実現している印象だったが、第1部を読んだ限りでは実現しているのは3割くらいという印象。むしろ荒唐無稽な推測が多く、レトロな未来というか、セピア色の時代の子供向けの本に載ったイラストのような未来像が目立つ。ただ、その一方で恐ろしいほど的中しているのもあって面白い。

第1部で的中しているものでは、例えば携帯電話。「携帯電話」という言葉そのものが登場していることにびっくりした(携帯電話について書かれた章ではなかったが)。また、ポケットに入るほど小型のコンピュータというのは紛れもなく現代のスマホだ。

一方で外れている方では気候の制御。台風の進路を変えたり、ベーリング海峡を封鎖することで気候を温暖にしたりといったことが当時は真面目に考えられていたらしい。技術的なことはともかく、それによって起こる自然環境や生態系への影響は全く考慮されていない。本の趣旨のためもあるだろうがこれは他の項目にも言え、技術の発達によって起こる環境問題への配慮が驚くほど見られないのが全体的に印象に残った。そういう時代だったのだろうか。本書の前半では原発の技術について夢の技術であると盛んに推しているが、事故のリスクや廃棄物処理についてもっと真剣に取り組んでいれば今日のように肩身が狭いことにはならなかっただろう。結果論ではあるが。

外れている方でもう1つ。やたらと「モノレール」を未来の乗り物として推している。40年後までには時速300キロで走り、街中ではビルとビルとの間を縫うように結び、建設費がかかる地下鉄は衰退しているであろうと書かれている。現実には新幹線に匹敵するような高速モノレールは出現せず、モノレールそのものがやや衰退し、地下鉄がむしろ栄えているようだが、いったいどこでこの推測と現実との逆転が起こったのだろう?リニアモーターカーの研究の進歩のためだろうか?

第2部はすでに手元にある。これから読むのが楽しみだ。



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