10月29日から11月2日まで行っていた、津軽と道南を巡る旅の模様。その第17回。(前回はこちら

※この記事の写真は2013年11月2日、特記が無い限りOLYMPUS E-620 + ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWDで撮影。

旅の5日目、最終日。予定より早く目が覚めてギリギリ長万部行の始発列車に間に合いそうだったので、準備をしてチェックアウトし、函館駅へと急ぐ。発車数分前に改札口に着いてホッと息をついたのもつかの間、何を勘違いしたのか駅員氏が、提示した「函館フリー乗車券」を自動改札機に入れろと言って聞かない。いやいや、ここまでずっと有人改札を通ってきて自動改札機に入れたことが無い切符だからと説得して通ったが、はたして自動改札機に入れてもはじかれなかったのだろうか?

とにかく一目散にホームへ向かい、6:00発の列車に飛び乗る。なんとか間に合って再びホッと一息。朝からなんだか慌ただしいが、これで予定を1時間ほどまくことができ、より充実したプランとなった。

最初の目的地は函館本線の仁山駅だが、乗った列車は仁山駅を通らない。函館本線の七飯~森間は8の字を描いており、真ん中の交わっている個所に大沼駅があるわけだが、仁山駅は下の円周の左側にあり、この列車は右側を通るのだ。ということで仁山駅へはまず大沼駅で下車して、函館方面へ左側を通って戻る列車に乗り継がねばならない。

左手の車窓に朝靄のかかった小沼と駒ケ岳を望みながら大沼6:35着。

小沼@函館本線の車窓
▲小沼の向こうに駒ヶ岳

大沼駅のホームに降り立つと、乗ってきた列車の後部1両を切り離す作業が始まった。もしやと思って作業後に尋ねると、やはり切り離された1両が折り返して仁山経由で函館へ向かうのだという。函館からこの1両に乗っていれば、8の字の下側の円をくるっとまわって函館まで戻ってくるわけで、面白い運用だ。

大沼駅
▲大沼駅での切り離し作業

大沼6:46発。仁山は大沼の隣駅である。ほどなく山間にひっそりたたずむ無人駅に滑り込んだ。仁山6:52着。大部分が板張りのホームに降り立つ。

さて、この駅に来たのは「加速線」の跡に残っているというレールを見てみたかったからである。仁山駅はかつてスイッチバック式の信号場で、蒸気機関車が上り坂への発車の際にいったん入線して勢いを付けるための水平、または下り勾配の線路が「加速線」だ。蒸気機関車時代を偲ぶかのように役割を終えた後もレールが残っており、手持ちの本には木々のトンネルの中に消えてゆくような写真が掲載されていて、その光景をぜひ見たかった。

仁山駅
▲ホーム側から見た駅舎

仁山駅
▲駅舎内部

仁山駅
▲建物財産標の「青函船舶鉄道管理局」の文字に青函連絡船の時代が偲ばれる

仁山駅
▲道路側から見た駅舎。ホーム側から見るより荒んだ感じ

構内踏切を渡って木造駅舎をざっと見物し、外へ出て線路沿いに函館方面へと歩く。途中、駅舎の傍にも立っていた腕木式信号機が現れた。現役では無いようだが真新しく、何かのモニュメントなのだろうか。(※調べてみるとSLの運転に合わせて2010年に設置されたようだ。)

仁山駅
▲線路際に腕木式信号機

未舗装の道を歩くことしばし、加速線跡へと入る小道が現れた。柵も立ち入り禁止の表示も無いので入ってみる。加速線は1本とばかり思っていたが、途中で分岐しており、その分岐器の部分は真新しい。いずれ使う予定があるのだろうか。錆びついたレールの先は密な藪の中へ突っ込んでおり、森まではとても踏み入ることはできない。断念して藪の手前で写真を撮ったが、これはこれで良い光景だった。

仁山駅

仁山駅
▲加速線跡/1枚目はトイフォト使用

道に戻り、もっと先で加速線跡へ入れないかと歩いてみたが、加速線跡は徐々に登っているようで築堤の様相をなし、道との間は水の無い堀のような感じになっており、行くことはできない。ヒグマが出てきそうな雰囲気もあり、諦めて駅へと戻る。待つこと数分、仁山7:51発の列車で大沼公園駅へ向かった。

仁山駅
▲乗り込む前に駅名標と絡めて1枚

~つづく~

関連記事
Secret

TrackBackURL
→http://erbaf.blog95.fc2.com/tb.php/1677-9aacdc14