先月29日から今月2日まで行っていた、津軽と道南を巡る旅の模様。その第2回。(前回はこちら

※この記事の写真は特記が無い限り2013年10月29日、OLYMPUS E-620 + ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWDで撮影。

旅に出た段階では、それはいつもの噂だった。

寝台特急「あけぼの」の廃止。東北新幹線の新青森延伸の頃から、あるいはそれ以前から毎年囁かれ続け、「結構利用者があるから廃止は無いって」と打ち消す声が沸きあがり、結局3月のダイヤ改正でも生き残って「ほらやっぱり」というのを繰り返してきた。私は今回もそうだろうと思い、前から乗ってみたかったのとちょうどいい機会だったので今回利用したわけだが、今月2日、そして7日にも今年度末で廃止の方針であることが報道された。加えて「北斗星」も2015年度に廃止とのことで、「ブルートレイン」が消滅することになる(急行「はまなす」については言及されていない)。

まあそれはそれとして、20:50頃、あけぼのが入線する13番ホームへ向かう。隣のホームには石川啄木の歌碑。かつてこの地平ホームと東北の間を何本もの長距離列車・夜行列車が行き交っていた時代が偲ばれる。

石川啄木の歌碑@上野駅
▲石川啄木の歌碑@上野駅15・16番ホーム

20:59あけぼの入線。頭端式ホームにゆっくりと、貫通扉が開いた客車を先頭に推進運転で入ってきた。停車後に車掌氏(?)が推進運転の装置を取り外す。私はしばし撮影。

寝台特急「あけぼの」@上野駅
▲あけぼの入線

寝台特急「あけぼの」@上野駅
▲貫通扉は閉められたが、まだテールマークの下に推進運転の装置がある

寝台特急「あけぼの」@上野駅
▲駅名板を入れて1枚

寝台特急「あけぼの」@上野駅
▲牽引機はEF64 1053号機

あけぼのには指定席料金でB寝台を利用できる(ただし毛布やシーツは無し)「ゴロンとシート」が連結されているが、三ノ宮駅のみどりの窓口で取ろうとしたところが満席。ならばと普通のB寝台と同額の個室「ソロ」を取った。身動きがしづらいほど狭いことは以前「なは」で博多~三ノ宮間乗車した経験から知っていたが、やっぱり個室は良いものだ。ということで6号車に乗車。今宵の宿となる個室に入った。

寝台特急「あけぼの」@上野駅
▲6号車に乗車

寝台特急「あけぼの」
▲「ソロ」の2階の部屋を取った

定刻21:16に上野駅を発車。

さて、この旅ではスマホで「My Tracks」というアプリを利用し、自分の位置情報を記録していた。現在地にフラグを立ててメモしたりも出来て便利だ。GPSを使うために結構バッテリーを食うという評判だったが、5秒に1回記録する設定で私の機種ではバッテリーの減りは3%/hくらい。現在残量は90パーセントほどで、2日目の宿に入るまで24時間ほどだから十分持ちそうではあったが、ネットで地図を度々見たりすれば減りが早いだろうしと不安に思って、車端の洗面台のヒゲそり用コンセントで充電。この客車を作った人もまさかこのコンセントで小型コンピュータが充電される日が来るとは思わなかっただろう。昭和と近未来が同居しているような光景だった。

個室はちょうど洗面台に近い端だったので、ドアを開けて(直接スマホは見えないが)洗面台に目をやりながら、車窓も見ながらで、車内検札を待つ。検札は大宮駅辺り、充電完了は高崎駅手前だった。

充電が完了したので個室にこもって早速ベッドメイク。なにせ狭いので大きな荷物をあちこち移動しながら組み立てる。まるでパズルのような作業が楽しい。

寝台特急「あけぼの」
▲ベッドメイク完了

津久田駅を過ぎた辺り、23:17に灯りを消して就寝。しかし今どこを走っているのかなど色々気になって眠れない。My TracksのGoogleマップを見ながら、たまにフラグを立ててメモを記録しながら車窓を見る。私が好きな鉄道旅行作家の故・宮脇俊三さんは列車に乗ると地形図を膝に広げ、車窓や出来事をメモに取っていたらしいが、いわばそれがデジタル化されているわけで不思議な感動がある。水上駅を過ぎ、長いトンネルに入ってしばらくすると、トンネルの中にホームが現れた。土合駅に違いない。カメラを構えるも間に合わず、薄暗いホームと明るい待合室が後方に飛び去っていった。(※水上~土合間のトンネル内にあったはずの湯檜曽駅は見逃した)

日付が変わって午前1時過ぎ、長岡駅で運転停車し機関車の付け替え。向こうの方の線路をあけぼののヘッドマークをつけたEF81が走り去っていったと思ったら、ホームを挟んで向かいの線路をここまで牽引してきたEF64が通り過ぎていった。

寝台特急「あけぼの」
▲長岡駅で機関車を付け替え。ちょうど撮りやすい位置でEF64が一旦停止(30日)

さすがにそろそろ寝ないとまずいだろうと思って目を閉じる。案外すんなり眠れて、目が覚めたのは5時頃。あけぼのは酒田駅に停まっていた。走り出すと窓には雨粒が流れ、空には稲光が輝く。羽後本荘駅手前では豪雨となった。2日目は荒天のようで、少々心配になる。下車する秋田駅まではあと40分ほどだ。

寝台特急「あけぼの」
▲2日目の夜明け(30日)

~つづく~

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