2013/08/28
姫神コンサート@白山一里野音楽祭2013
24日に開催された、白山一里野音楽祭の姫神コンサートの模様。※この記事の写真は2013年8月24日、OLYMPUS E-620 + ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWDで撮影。
昨年に続き、石川県白山市の一里野高原での音楽祭に姫神が出演。今回は青春18きっぷは使用せず、大阪から金沢まで特急「サンダーバード」を利用。12時に金沢駅に到着し、立ち食い蕎麦を食べ、13:30発の会場へのツアーバスに乗り込む。
予定より3分ほど早く出発。途中、北陸鉄道の鶴来駅に立ち寄ってさらに乗客を拾うが、それにしても少ない。全部で12人。昨年は22人だったのにどうしたことか。金沢駅からの往復料金が1,500円(鶴来駅からは1,000円)という破格なのに、この人数では採算が取れそうに無いなと余計な心配をする。廃止にならなければいいが。
昨年は確か添乗員が会場まで乗っていたが、今回は鶴来駅で降りてしまい乗務員は運転士のみ。15時頃に到着し、早速ステージの前へ。

▲昨年はもっと奥に看板があったが、今回は入り口

▲相変わらず気持ちのいい雰囲気
週間天気予報が悪い内容で心配していたが、前日の予報は石川県が晴れで周辺が雨という誰だ晴れ男はという状態。実際、シアスタの機材チェックとリハーサル中にサッと一雨あっただけで後は晴れていた。
前回の反省を踏まえ、前の方に陣取る。16時に開幕し、地元アーティストとしてシアスタ(Seattle Standard Cafe'(シアトルスタンダードカフェ))、南壽あさ子さん、井上昌己さんがそれぞれ25分ほどのミニライブ。
シアスタは昨年に続いての参加で楽しんで歌って演奏しているのが分かるその姿に元気を貰う。昨年は音割れが少々していたが、今年は無く、音質が向上しているようだ。
南壽あさ子さんはピアノの弾き語りで、クリアで伸びやかな歌声。ホームページを見ると今年の10月にメジャーデビューされるらしい。おめでとうございます。
井上昌己さんはベテランの方らしい。1曲目前半ピアノの音がスピーカーから出ないというトラブルがあったが、復旧に当たりつつ演奏はそのまま続行。ギターとパーカッションの音だけというのもなかなか雰囲気があって良かったが、無事にピアノの音も出るようになった。
昨年は舞台転換が少々バタついていた印象があったが今年はそんなことは無く、どうやら演奏時間を数分削ったようでなんだか物足りなかったのが残念ではあったが、それぞれに良い演奏だった。
そして10分ほどの準備時間の後に姫神が登場。星吉紀さんと山口太鼓の佐々木達哉さん、姫神ヴォイスの2人(志和純子さん・西風沢里絵さん)という構成。

▲姫神が登場!
<姫神コンサート@白山一里野音楽祭 ECO STAGE 2013>
01.神々の詩
アルバム「縄文海流-風の縄文III-」(1998年)などより。アナウンサーの2人からの紹介を受けてこの曲からスタート。昨年とはガラリと変わった曲目の構成だ。姫神の代表曲の1つで、この曲をきっかけに知名度が大きく上がった。
アナウンサーを交えて最初のMC。先代が平成2年に白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)で演奏したことなど。続いては白山にちなんだ曲を2曲ということで、
02.白山
アルバム「風土記」(1989年)より。昨年も演奏された、タイトル通り白山をモチーフにした曲。シンセが伸びやかに山々へ響き渡る。
03.大地はほの白く
先代の遺作となったアルバム「風の伝説」(2004年)より。原曲は福島県いわき市の白水阿弥陀堂でのコンサートで演奏された「白水のテーマ」らしい。白水阿弥陀堂は白山を篤く信仰していた奥州藤原氏・藤原清衡の娘によって建立された。ライブで聴くのは久々(2009年の伊勢神宮内宮以来)で今回は佐々木さんが参加しての演奏だったが、その和太鼓が効果的だった。
MC。星さんは白山を「はくさん」と“は”にアクセントを置いて言っていて私もそうだと思っていたが、後ろの酔っ払いのおじさん曰く「はくさん」と“さ”に置くらしい。本当だろうか?
佐々木さんは石川県にはよく来ているので、「(行方不明になったら)石川県のどこかにいると思います」とのこと。続いて、
04.希望の花
新曲。今月10日にあった静岡県の花火大会「ふくろい遠州の花火2013」の創作メロディースターマインに提供された。いかにも花火にあいそうな激しいリズムのスピード感溢れる曲。特別バージョンとのことで間奏に佐々木さんのソロパートが挟まれていた。事前に告知されていた新曲とはこのことだったのだなとこの時は思ったのだが・・・。
05.白鳥伝説
アルバム「北天幻想」(1986年)より。佐々木さんの太鼓が加わったライブバージョンで、昨年初めて聴いて感動した。
アナウンサーを交えてのMC。今回はちょくちょくアナウンサー氏が登場する。昨年は半ばに1度登場してまとめて長めのインタビューという感じだったが、今回の方が好ましい。「続いても新曲ということで・・・」に驚く。てっきり1曲だけだと思っていた。「スカイツリーの麓に行かないと聴けない曲ですが特別に」ということで、
06.天の川
新曲。東京スカイツリータウンにあるコニカミノルタプラネタリウム「天空」で上映中のヒーリング番組「~花鳥風月~ 星ごよみ」の使用曲。ゆったりした懐かしい雰囲気の3拍子の楽曲でかなり好み。サントラ発売の予定があるらしいので楽しみだ。
07.雲渡る月
新曲。同じく「~花鳥風月~ 星ごよみ」の使用曲。ゆったりした中にスピード感があるといおうか、空の海を行く月の船のイメージ。間奏のメロディーに先代を思わせる一節があって思わずニヤリ。おそらく意図的に織り込んでいるのだろう。
MC。もう3曲も新曲を聴けてしまったぞと思う中、なんと次も新曲だという!「“祈り”という言葉がタイトルに入ったものを2曲」ということで、
08.祈り~近江巡礼
新曲。仙台市博物館で今月25日まで開催されていた「近江巡礼 祈りの至宝展」のテーマ曲。始まりと終わりに水が湧き出るようなゴポゴポといった感じのSE音が使われているのが印象的。一部はアルバム「炎 -HOMURA-」(1993年)収録の「真秀に高く月天」に使われていたものか。本体部分は壮大でゆったりしたメロディー。
09.千年の祈り
アルバム「千年回廊」(2000年)より。アレンジはDJ・ミュージシャンのDAISHI DANCEのアルバム「beatlessBEST...Mellow Relaxation.」(2012年)収録の「千年の祈り(DD 2012 Re_Make)/姫神×DAISHI DANCE」に近いもの。昨年も思ったが、コンサートでは「千年回廊」収録分に準じたアレンジを聴きたい。リメイクバージョンは列車の中や作業中に聴く分には良いのだが、会場の雰囲気的にも曲順的にも荘厳な雰囲気が欲しかった。
MC。「千年の祈り」に参加した姫神ヴォイスとアナウンサーを交えて。流行の岩手の方言「じぇじぇじぇ」について。志和さん曰く盛岡では「じゃじゃじゃ」らしい。男性アナウンサーも生まれの宮城の方言でしゃべりだしステージ上には東北の方言が飛び交う。続けてテレビのテーマ曲を2曲ということで、
10.未来の瞳
アルバム「千年回廊」(2000年)より。TBS系「未来の瞳」テーマ曲。暖かみのある笛の音色が印象的なゆったりした歌もの。代表曲の1つ。
11.水火の天弓
アルバム「天空への旅〜Himekami TV Omnibus〜」(2013年)より。「ミズホノニジ」と読む。2008年TBS系列で放送された「火と水の洞爺」のテーマ曲。アルバム収録のものよりキーが低いアレンジで、かつロングバージョンだった。明るくポップな歌もの。
MC。「平泉が世界遺産に登録された記念に作った楽曲を白山に奉納したいと思います」ということで、
12.浄土悠遠
CD未収録曲。正確には世界遺産になった2011年ではなく、登録を目指していた2008年に製作された平泉のイメージ音楽。CD化はされるのだろうか?コンサートの定番曲でもある荘厳で重厚な1曲。この曲の演奏中にふと空を見上げると見事な夕焼け空で、しかも見る見るうちに赤みが増してゆく。それはそれは素晴しい光景だった。音楽を奉納された白山が喜んでいたのかも?
MC。アナウンサーも交えてのインタビュー形式。この形式のMCは正解だと思う。


▲MC中
女性アナウンサーの「空の色がみるみる変わって、まるで姫神さんが太陽を沈めているような」という発言に噴き出す。なんだか的が外れているぞ。「私が沈めているんじゃなくて、地球が勝手に沈めているんですが、この時間帯を狙って用意してきた楽曲です」ということで、
13.あの空の下に
アルバム「千年回廊」(2000年)より。コンサートの定番曲だが、ラストに演奏されることが多かったのに今回はここで。はたして最後には何を持ってくるのだろう?
MC。2年連続ここで演奏できて感謝。天候に恵まれたのは「会場にいる晴れ女、晴れ男の皆さんのおかげ」という言葉に先述の白山アクセントのおじさんから「ハゲ男もおるぞ!」というなかなかナイスな声が飛び「ハ・レ、ですよね」と星さんが返していた。「最後に2曲」ということで、
14.雪の女神
アルバム「天空への旅〜Himekami TV Omnibus〜」(2013年)より。先のMCによれば「白山には雪女のような真っ白な女神様がいるんじゃないかという思いで作った」とのこと。昨年にも「雪女」のタイトルで披露された秀作。しんしんと雪が降る山のイメージが沸々と涌いてくる。尺八を思わせるシンセの音色が印象的。
15.雲海
新曲。またさらに聴けるとは。KAGAYAさんのプラネタリウム番組「富士の星暦~日本最高峰を知る」(東京・足立区ギャラクシティでパイロット版が公開中。本公開は来年)の使用曲。激しいリズムのものすごくノリがいいテンポが早い曲。どちらかというとメロディより和太鼓が主体で、時折姫神ヴォイスの掛け声が入る。タイトルからゆったりした曲を想像していただけに意外だった。これまでの姫神色がかなり薄く、実験的な意味があるのかもしれない。
演奏が終わり、星さんたちが舞台を後に。替わってアナウンサーが登場し、「先ほどお聞きしたら車で11時間もかかってこられたということで、せっかくですから・・・アンコール!アンコール!」観客からもアンコールが起きて星さん再登場。新潟から金沢まで高速が雨の影響で50キロ規制だったそう。お疲れ様です。「あとこの1曲だけしか用意してないので本当に最後です」ということで
16.空の遠くの白い火
アルバム「姫神」(1982年)より。もう辺りはすっかり夜。哀愁漂うゆったりした楽曲はラストに相応しい。
演奏後、星さんと佐々木さん、姫神ヴォイスの2人がステージ前に出てきて一礼。今度こそ終了。
終了後、佐々木さんが太鼓を片付けている光景がなんだか絵になる気がして撮ってみた。

全16曲。内5曲が新曲。とても濃密な1時間40分で姫神の音楽を堪能した。場所取りもやはり正解で、走り回る子供に悩まされることなく見れたのも良かった。夕焼けも素晴しかったし、最高のコンサートだった。
物販を覗いたが、ひそかにあるんじゃないかと期待していた「花鳥風月」のサントラなどの目新しいものはなく、バスへと戻る。19:30に会場を後に。ここで解散のお婆さんが2人いたため帰りの乗客は10名とさらに寂しい。金沢駅までは約1時間20分である。
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