今年1月に亡くなったオリガさんのベスト盤と、遺作となるオリジナルアルバムが発売された。

まずはベスト盤『all about ORIGA 1994-2014』。これまでオリガさんのCDはシングル『水のまどろみ』しか買ったことがなく、ほとんどの曲は初めて聴くものだ。2枚組で、Disc 1とDisc 2の1~4曲目がオリガさん作曲のもの、Disc 2の5曲目以降は他のアーティストが曲を提供したものという構成。粒ぞろいの名曲が収録されており、歌声はもちろんのこと、アレンジも素晴らしい。その中にしっかりと私が好きな姫神との初コラボ曲「Starry Tales」が含まれているのも嬉しい。そして唯一買ったシングル曲「水のまどろみ」も。「Inner Universe」は攻殻機動隊のテーマ曲バージョンとは打って変わって民族音楽調のデモ版が収録されており面白い。おそらく入門盤としても最適・・・なのだろうが、もう新しい歌声を聴くとはできない。それが本当に残念だ。

ジャケットは紙ジャケットで味わい深いのだが、袋状になった表紙と裏表紙部分にディスクを収納する仕様で、出し入れがしにくいのが難点。後述の『Lost and Found』も紙ジャケットだが内側はプラスチックで一般的なケースと同様にディスクを収納でき、ベスト盤も同じ仕様で良かったのにと思う。そしてブックレットの歌詞はロシア語のものにも和訳が無く、ロシア語を解さないものにとってはただキリル文字が並んでいるだけで不親切だと思うが、ロシアなど海外でのリリースを視野に入れた仕様だろうか。また、20年間の集大成的なベスト盤なのだし、せめて1曲につき半ページくらいは割いて解説を掲載してほしかった。他アーティストの提供曲だけさらっと一文あるだけでは寂しい。CDの中身が素晴らしいだけに、もっとブックレットをしっかり作りこんでほしかった。蛇足ながらもう一点。「Starry Tales」は姫神の星さんも作詞に参加しているはずだが、今作のクレジットでは省かれている。謎。

オリガさんのアルバム

続いて遺作となったオリジナルアルバム『Lost and Found』。こちらも2枚組で、配信のみの予定だったアルバム『Amon Ra』と、ロシア民謡のアレンジ曲のミニアルバム『The Annulet』からなる。

『Amon Ra』で印象に残ったのは2曲目のタイトル曲「Amon Ra」で、ロシア語、英語、日本語が混在する歌詞が面白い(なおこちらのブックレットは歌詞の対訳が別ページにちゃんとある)。6曲目の「Indigo」は姫神とのコラボ曲を思わせる雰囲気のあるアレンジで、もしかすると影響を受けた部分があったのかもしれない。

『The Annulet』は5曲目までがロシア民謡のアレンジで、6曲目以降の3曲は追悼の意を込めて他のアーティストが制作した楽曲が収録されている。民謡のアレンジは時に原曲の雰囲気を壊さないよう控えめに、時に大胆に、しかし巧みにされており、こんな感じのロシア民謡だけのフルアルバムも聴いてみたかったなと思うがもう叶わない願いだ。3曲目はブルガリア民謡に似たものがあったように思うが、何かつながりがあるのだろうか。6曲目は姫神の手による「Electric Sun ‘ORIGA’」で、KAGAYAスタジオ製作のプラネタリウム番組「オーロラの調べ」使用曲の別テイクを用いた曲。前半はDAISHI DANCEを思わせる激しいリズムアレンジで姫神色は薄く、クレジットを見ないと姫神とのコラボと気付かないかもしれないが、後半のストリングスはいかにも姫神。ささやきや力強い歌声など様々なオリガさんの声が織り込まれている。なお、ブックレットでは解説も含め姫神の表記がHIMEKAMIというアルファベットに統一されている。

以上、ベスト盤のブックレットに少し不満がある以外は素晴らしい2作品だった。今更ながらにオリガさんの歌声の素晴らしさを再認識しつつ聴きこんでいる。

 

先日発売されたKalafinaのニューアルバム『far on the water』。今聴きこんでいるところ。

far on the water/Kalafina

far on the water/Kalafina
▲DVDと写真集的なブックレットが付いた初回生産限定盤を購入

5作目のオリジナルアルバムで、全13曲収録。最初に聴いた時の感想「今作は力強いな」というのは、それから何周も聴いた今になっても変わっていない。これまでのアルバムはもう少ししっとりした曲が目立ったように思うが、今作はビートの効いた曲の比率が多い、あるいは印象に残りやすいと思う。

現時点でのお気に入りの曲は、アコーディオンが良い味を出している2曲目「monochrome」、壮大なファンタジー調の3曲目「五月の魔法」、ちょっと気だるい雰囲気で歌詞が印象的な5曲目「うすむらさき」、疾走感とたたみかける感じが良い8曲目「One Light」、少し「Magia」に通じるものがある曲調の10曲目「heavenly blue」、力強い曲の中で存在感のあるしっとり系の11曲目「空色の椅子」、そしてタイトル曲である13曲目「far on the water」。好みの曲の割合もこれまでの4作に比べて多いように思う。

先月のポルノグラフィティの『RHINOCEROS』と同じく発売日前に予約して買ったのは今作が初めてだったが、買って良かった。

▼左から通常盤、初回限定A(DVD付)、初回限定B(Blu-ray付)


ポルノグラフィティのアルバム『RHINOCEROS』が今月19日に発売された。試聴したところ良さげな曲がいくつもあったので、発売2日前にAmazonで予約したのだが、届いたのは23日。

RHINOCEROS/ポルノグラフィティ
▲初回生産限定盤を購入。4曲のMVを収録したDVD付き

RHINOCEROS/ポルノグラフィティ
▲くじはハズレ。右上のサイは特典のステッカー。RHINOCEROSはサイの英名だ

早速聴いてみると、まず1曲目の「ANGRY BIRD」が近未来的と言おうか、これまでのポルノには無かった曲調でものすごくカッコイイ!この1曲で買って正解だったと思えるほどに。そして聴き進めていくと、シングルとして出ていたラテン調の「オー!リバル」やちょっと昭和っぽい「俺たちのセレブレーション」、リードトラックで爽やかな雰囲気の「Ohhh!!!HANABI」も良いが、負けず劣らずその他の曲も良い。SNSをモチーフにしたらしい歌詞の「ソーシャル ESCAPE」や珍しくラストナンバーにしてはノリの良いラテン調の「ミステーロ」など。中でも一番気に入ったのが「バベルの風」で、歌詞はぐっと来るものがあるし、曲調も疾走感のあるロックでこれまたカッコイイ。

全14曲収録だがハズレが無く、好みの曲が過半を占めるというのはポルノのアルバムでこれまで経験が無い。ポルノはデビュー曲の「アポロ」から聴いているが、実は発売日前に予約して買ったのは今回のアルバムが初めてだった。ここ数枚のアルバムは好みの曲が少なかったこともあってどうかなとも思っていたのだが全くの杞憂。そしてこの10枚目のアルバムがポルノで一番のお気に入りの1枚となった。日曜日に全体を6周聴いた後、今は「ANGRY BIRD」と「バベルの風」を中心にリピート再生している。